ペルシア湾通信
2004年5月14日

水道システムを作っています。


こケシュム島はペルシャ湾内最大の島で、沖縄本島とほぼ同じ大きさです。
東西約140km、南北の一番太いところで約25kmです。
ここはまた、ペルシャ湾内で唯一真水が湧く島でもあります。



雨は通常1年に3日しか降りません。
去年は異常気象で、結局1度も降りませんでした。
写真1は島の大部分を占める砂漠の様子です。

 この島はマルコ・ポーロの時代から「海のシルクロード」の拠点として栄えたところで、
ポルトガルが500年前に築いた要塞などの遺跡もあります。
そこから現在モスクになっているところまで200mの道路下トンネルが発見されたり、
歴史的に面白い場所です。
この要塞の発掘作業の見学をしてたら、
伊万里焼みたいな焼き物の破片なんかが出てきて、日本の正倉院にも
ここ経由で入ってきた御物なんかもあるんじゃないかな、なんてロマンも感じます。
写真2はそのトンネルが発見されたモスクで、
こちらの見慣れた風景ですが、日本人にはとてもエキゾチックです。



ところで、「真水が出る」と言っても元々は数千人の原住民が節約に節約をしながら
生きて行くのにやっとの量を意味します。
現在では、ケシュム市に限っては海水の淡水化プラントが出来たので、新旧市内には水道が敷かれ、
ここ数年、街路樹や公園に水を撒く余裕も出来ました。
 しかし、これは極く一部の地域で、島の大部分では未だに給水車に頼っています。

 この島には、千年以上続く伝統的な水の貯蔵法があって、これが非常に面白いやり方なんです。
この島の大部分を占める砂漠には保水能力が無いために、
1度雨が降ると、とんでもない洪水になります。
この洪水は当然地形に沿って流れますから、その通り道に巨大な穴を掘り、
水を貯めれば結構な量が確保出来るワケです。
ただ、ここは日差しが強く、高温です。
そのままではすぐに蒸発してしまうので、
壁の厚い日干し煉瓦の建物で蓋をしちゃえ、って出来上がったのが写真3です。
この建造物の入り口のようなところから水が入り込む仕組みで、この下は巨大な水タンクです。



島には給水車も沢山ありますが、家まで運ばせると1㎥当たり約600円と割高なので、
今でもこうして水汲みを日課にしている人達も大勢います。
写真4は主婦同士、オアシスまで水汲みで移動版井戸端会議ですね。
これは女の仕事で重労働です。



写真5は馬で水を運ぶ親子です。
地下鉄と高速道路、高層ビルが林立する首都テヘランとは物凄いギャップです。



 写真6は村に届いた水道システム用パイプです。



 写真7は村の子供達で、この子らが大人になった時、
「俺が子供の頃には村に水道も無かったんだ!」と言う事になるんでしょうね。



ここにきて、急に島の東3分の1くらいの地域に水道が敷かれるようになりました。
パイプは政府の役所が直接敷きますが、貯蔵タンクや加圧施設はウチが造ってます。

 こーゆー世の中に役立つ仕事は気分が良いですね。


TOPへ 前へ 次へ

広告ポリシー