ペルシア湾通信
2004年6月22日

出張してました

出張してました。

 出先でも日本の台風のニュースを衛星で見ていましたが、傘が強風でオチョコになったり、
びしょ濡れになりながらも黙々と働く日本人の姿はこっちの人々の理解を超えているようです。

 私も出資している(と言うか、未払いの工事代金の分を株で貰ったんですが!)
水産加工工場が数年ぶりに本格的に稼動する事になり、
そこで日本の中古機械も欲しいので「視察」に行ったんです。

 この会社は元々国営企業の払い下げで、中の機械は全部ノルウェイ製です。
革命後暫くたって造られ、半年も稼動しないまま放置され、
8年前に僅か2500万円程で払い下げられました。
買ったのは私の友人のイラン人で、彼とはそれ以前から親友と言って良い間柄です。

 日本人からは考えられない超スローペースですが、機械類の復旧とキチンとした
マネージメントの構築に5年掛かり、私も去年までは何の期待もしていなかったのですが、
このところの原油値上がりによる「湾岸バブル」で金余り気味のイラン政府は、
湾岸沿いの街や村の水産業を育成する政策をとりはじめたので、この会社も無利子融資を受けて、
どうにか冷凍海老をイタリアとスペインに輸出するまでになったのです。

 そのスペインの会社がこの工場を約1億5000万円で買いたいと言っているそうなので
正に典型的なバブルですね。でもまだまだ値上がりしてるんですよ。
今湾岸では、国家プロジェクトとして数箇所で新たに大規模な油田やガス田の開発が
急ピッチで進んでいて、そーゆーところでは土地がこの3年で20倍以上になっちゃって、
あっちこっちの街や村で字も読めない貧しい漁師が一転して大富豪に、
なんていう「じゃじゃ馬億万長者」状態が続いてるんですよ。

 あの歌憶えてます?
「♪おいら代々山育ち 鉄砲担いで山歩き オマエの鉄砲当たるカヨ!
 アーりゃ当たった石油が湧いた!花の都のハリウッド 素敵な男も居るかしら
 それ行けやれ行けどんと行け 豪勢な暮らしをやらかそう! ソーレ行け!金はたんまりあるんだあ!」
って状態って事ですよ。
やっぱり頭取サンとか村の銀行の支店長サンとかがこーゆー人達相手にうろたえてるんでしょねえ。

 まあ、そーゆーケースとは別に今回の「視察旅行」では、
この僅か2,3年間における湾岸沿いの町や村の激変ぶりに唖然とさせられました。
大袈裟で無く、ちょっと前まで荒野だったところで立派な片側3車線の高速道路や
何千棟という高層建築が建設中で、ボロ車は姿を消し、以前のような、
いかにも第3世界っぽい貧乏臭さが感じられなくなってるんです。
それもこの3年の間にですよ。ビックリです。
この国は原油が値上がりすれば働かなくても豊かになっちゃうんです。
不公平ですねえ。

 写真1,2,3,4、はケシュム島の港です。
ここは本土側のバンダラアボス市行きの船の乗り場で、
発着する船の大きさ別で4箇所に船着場があり、これは一番小さいボート用です。
一番大きな船は何と神戸港と淡路島と関空を結んでいた瀬戸内海航路の中古船で、
UCCコーヒーの自動販売機もそのままです。
船内アナウンスのテープもそのまま残っていて、私が乗ると船長が冗談で流したりしています。
操作パネルの日本語を訳してあげて仲良くなりました。
これについても後でリポートしますね。




 写真に見える建造物は全て私の会社で建設したもので、創立後の最初の仕事の1つでした。
ゲートもウチでデザインしたものです。私じゃないですけど。
朝夕はごった返していて昼間は閑散としているのは日本の交通機関と同じです。

 私が初めてこの島に上陸した時は一般人立ち入り禁止の小さな軍港と
原始的な漁船の船着場しかありませんでした。
今日もここで工事をやっています。

 写真5、は船内です。
これは30人乗りで、時刻表なんてものは無く、定員になるまで出ません。
気温45度、湿度80%でエアコンもありませんから、
待たされると体をカバーしなければならない女の人は大変です。
エアコンはその日本製大型中古船にしか付いていません。
汗かきの私のシャツは早くもびしょ濡れです。
でもエアコン付きは2時間に1本なので、
しょうがないので今日は時間が合わないのでこの小さな船で行きます。
片道20分で200円です。今日のペルシャ湾は静かで全然揺れません。
時速40キロくらい出てますね。ボロ船でもやっぱり気持ちいいです。



 写真6、はペルシャ湾を行くバウチですが、これは白地に黒で「UN」と入った
国連のコンテナを満載しています。イラク復興用物資ですね。
日本も金を出してるんですから、我々の税金で買ったものかも知れませんよ。
ところで今資源大国でアフガニスタンとイラクの両方に接しているイランは
「湾岸バブル」と共に「イラク・アフガニスタン復興バブル」でもあります。
そのお陰でウチは建材の値上がりと輸送手段であるこのバウチの手配に悩まされています。



 それで最近この辺りでは日本や韓国から中古のバウチを
1500万円くらいで買ってくるのが流行っているんですよ。
何にもしないでレンタルするだけで月に100万円以上になるからです。
ウチから独立した奴でダンプ1台で始めて今じゃバウチを4隻持ってるのが居て
そのうちにこっちより金持ちになりそうな勢いです。

 写真7、は対岸のバンダラアボス市の街並みで急激に高層化が進んでいます。
ウチもこの左側奥で大型ショッピングセンターを建設中です。それも後でレポートしますね。



 写真8、はバンダラアボスの船着場です。これは定員30人以下の船用です。



 以下は添付順序が逆になってしまいました。

 写真9、は運転士ですがこれは船長の息子らしくて、
どう見てもまだ高校生くらいで「ダイジョブかよ?」って感じです。
どうせ免許なんてあるんだかないんだかどうでもいいって国ですからね。



 写真10、はスペインの水産会社の船でモンゴウイカやカツオを釣っています。



 写真11、は丁度ケシュムとバンダラアボスの中間地点に沈没している日本の貨物船です。
大きくて全長が100メートル以上あります。ぞっとする風景ですね。



 写真12、は10人乗りの小型ボートで、これも立派な「公共交通機関」ですが
波が高いと危険この上無く、毎年10人くらい死にます。



 今、衛星で大井川鉄道の懐かしの元西武のクモハ351が家山で脱線した空撮を見てます。
原因不明なんて言ってますが、あれは軌道がガタガタだからですよ。
あそこも線路状態が悪くて乗ってて怖いですからねえ。
さっしいさんの掲示板にも書き込ませて頂きましたが、
あそこは線路を全部敷き直さないと駄目ですね。
鉄橋上でなくて良かったです。あのままだと近いうちに大事故になりますよ。
でも、これをきっかけに廃止だなんてならなきゃいいですけど。
 

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