ペルシア湾通信
2004年5月5日

砂嵐が収まりました


ケシュム砂漠への道

砂嵐がおさまって、ようやく遠くまで見通せるようになりました。
ここは私の居るところから西へ10キロ程行った所で、
この道は夜、島の南側で小型ボートに満載したドバイからの密輸品を積み替えて
小型トラック(全て運転性能の良いトヨタハイラックス)で北側のイラン本土側に運ぶ
ルートになっていて、誰もが知っている言わば「密輸街道」なんです。

 ここは経済特区なので、関税も払わずに店に並べて売ってしまえばこっちのもの、
とばかりに闇に紛れて警察の目を盗んで無灯火で時速160キロ以上で突っ走るので、
何かあると、あのハイラックスがバラバラの残骸になってしまうほどの大事故になります。

 でもそれは力の無い中小の業者で、1度にトラック30台分程の密輸品を取り仕切る
「大手」になると、警察を完全に買収していて、傍若無人に隊列を成して通過して行きます。
ひどい時はその軍団を警察車両が「護衛」する形の時もあります。

 必然的にこの密輸団の高速トラックとウチの低速走行のミキサー車はしょっちゅう
接触事故を起こします。まあ、その縁で僕も密輸団の大ボスとも仲が良いんですよ。
酒類はこのルートで手に入れます。


日本にはいないタイプ


工場に来たアラブのおっさん

会社に戻ってクルマを点検させてたらアラブ人のオッサンが入って来ました。
手前のアリはウチのカトーの20tクレーンの欠けたアルミ部品を溶接してます。
エンジンマウントが壊れてエンジンが踊り、油圧ポンプへの伝達シャフトに
無理がかかってポンプのケースの一部が欠けたんです。
マウントはオリジナルの日産ディーゼル製がテヘランで見つかりました。偉大な国です。

 このオッサンの船のヤンマーの600馬力が壊れたらしいんです。
ウチはこの島ではベストのメカニック連中を揃えているので、
皆んなあっちこちに修理に出していよいよ駄目だとウチに泣きついてくるんです。

 このオッサン、この辺じゃあごくごく普通の人ですが、
考えてみると日本には絶対に居ないタイプですよね。こーゆーのって面白いですよね。
前回これを感じたのはカナダの森林警備隊員と牧師さんが
交差点で立ち話をしてる写真を撮った時です。


標準型イラン美人


マハンエアーのスチュワーデス

添付写真はテヘランと私が居るケシュム島を結ぶマハン航空のスチュワーデスです。
 見知らぬイラン女性を無断で写真に撮るのはトラブルの元です。必然的にこのような隠し撮りになります。
 このスチュワーデスの黒服の着こなしはイラン全土で見られる標準型と言えると思います。
 最近は風紀の取り締まりが大分緩くなってきて、短いカラフルなコートやスカーフも見かけますが、
このような公の職業では化粧も禁止されていて、髪の毛も出さない、体の線も出さないのが基本です。
彼女もすっぴんでこの美しさですが、イランでは特別の美人ではありません。
 しかし抑えつけられれば反動が来るのは当然で、
実はこの黒服の1枚下はドキッとするようなセクシーで大胆な下着姿かも知れないのです。


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