ペルシア湾通信
2004年5月6日
イスラム国家の下着売場
セタレーショッピングセンター外観
毎年、下着はこちらで買います。
私は韓国のBYC社製下着の愛用者なので同じ製品が日本の3分の1で買える、
ここケシュム島のセタレーショッピングセンターで「計画購入」するんです。
清里で履いてるモモヒキも、ここで買ったものです。
このショッピングセンターは床面積3万3000平米ですから丁度1万坪ですね。
5年前にウチが建築しました。
エスカレーターが幾つもある甲府のエクランあたりと変わんない造りです。
オーナーは大手の密輸組織のボスです。
税金なんか一切払ってませんけど、誤魔化した金でモスクを建設したので尊敬されています。
この時、ウチの生コンも100立米強制的に寄付させられましたけどね。
このへんの倫理観がよくわかんないですけど、日本で田中角栄がヒーローなのと同じ感覚かも。
13年前、ここは電気も水も無い不毛の砂漠でした。
見渡す限り見える動くものはラクダくらいで、日本から持ち込んだ三菱キャンターの試運転をしてて
砂地にもぐってしまい、暑さと脱水症状で死にはぐったのもこの辺りです。
それが今ではこの島随一の繁華の巷です。感慨無量です。
2階のBYC下着のセクションに入ったら、顔なじみの「中東風ミッキー安川」店主が
氷混じりの冷たいコーラで出迎えてくれましたが、
1週間ほど前に宗教警察の手入れを受けたんだと散々ぼやかれました。
なるほど、見回すと店の商品のパッケージ写真や広告類の写真がマジックで塗り潰されています。
僕らの世代だと、中学や高校時代に盗み見した1970年代の直輸入モノのプレイボーイや
ペントハウスを思い出しちゃいます。あの頃、あの黒インクをどうリムーブして
下の「肝心の部分」を露出させるかって真剣に研究したもんです。
結果、柳家ポマードが1番でしたけど。カンケイ無いか。
こちらイランでは肌が露出した写真やイラストは厳禁ですが、下着のパッケージで
これを禁止されると中身が何だか分からなくなっちゃって困りますよねえ。
ま、取り締まるほうも賄賂欲しさにやってるのは明らかですけどね。
こちらでは雑誌も輸入検閲があって、
週刊ポストや現代なんてのはエッチなグラビアがあるのでそもそも駄目ですが、
ちょっと真面目な週刊文春レベルが中途半端で面白いんですよ。
あの雑誌の中で、有名人が今迄にどんな家に住んできたかと言う、
確か「我が家の履歴書」と言うコーナーがあるんですが、そこに菅井きんが出てたんです。
「菅井きん」ですよ。ところが、その菅井きんの首から下がマジックで塗り潰されてんです。
でもって、別のページの小池栄子のビキニ姿の強精剤の広告はそのまんまなんですよ。
この国の宗教が「ウルサイけどいい加減」と言う、形骸化した官僚機構の一端を見る思いです。
ミッキー氏には「賄賂は月に10万トマン(約1万3500円)くらい払ったほうがいいよ」と言ってやりました。
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