ラサ工業宮古工場専用線1976・3
その2

国鉄無煙化後も稼働していたラサ工業専用線。
鉄道ファンには寛容で工場内で撮影ができたがここにも無煙化が迫っていた。
撮影日 1976年3月26日


国鉄接続点からトンネルを抜けて工場に到着、さっそく入換が始まった。
傍らには撮影者が数人。


工場内には勾配票もあった。


工場内には数本の引込線があり、それぞれの線に到着した貨車を押し込んでいった。








ワラ1両をプラントの奥へ、よくこんなところまで立ち入らせてくれたものだ。


貨車の押込みを終えて単機で戻ってきた。


次は一番端の線路へ。


そこそこ長い編成の貨車を移動中。


この時間の入換が終了。
1回目の入換は夜明け前の時間帯だった。




シートに包まれているのは予備機C11 247。


シートの中にもぐりこみ前面プレートだけ撮影。
C11 247はラサ工業で廃車後動輪のみが善宝寺鉄道記念館で保存された。


アシュピット上で次の仕業までお休み。


機関車の全検は郡山工場で行っていた。
ヘッドライト下には必要ない「架線注意」プレート。
会津地区の無煙化が遅かったためこの機関車もここまで生き延びたのかもしれない。




C108はその後1986年の専用線廃止まで保管されていた。
1987年宮古市に譲渡、旧臨港線で動態保存された後大井川鉄道に譲渡。










小さな給水塔と野積みの石炭、手前には・・・


全く情報がなく、現地でこいつがいて驚いたが新造DLが整備をうけていた。


適当な出物が無かったのか、なんとDD16同形の川崎重工業製新造機DD5201。
本家DD16より運転整備重量が4t重い52t機、形式は重量からきたものだろう。




立派な社紋も付いていた。


本機は1986年の専用線廃止後高崎運輸に譲渡、さらに日本製紙岩国工場専用線に移ったが
近年廃車となった模様。


ラサ工業での稼働は10年、無煙化後は訪れるファンもなく
この機関車の宮古時代の現役の様子を見た人は少なかったのではないか。


C108履歴
「機関車表 フル・コンプリート版」沖田佑作氏より引用
1930-7 川崎車両兵庫工場 製番1363
1930-7-24竣工
東京局配属
1930-8-2配置 大宮
1932-1-31現在 大宮
1932-9-1高崎
1932-10-10借入 新小岩
1932-10-28返却
1933-2-2借入 田端
1933-3-16借入 水戸
1933-3-19返却
1933-10-8借入 田端
期日不明返却
1934-9現在 高崎
1934-11現在 尾久
1935-7現在 田端
1935-5-12増圧(14→15kg/cm2)田端
1935-7-30大阪局
1936-1-31現在 姫路
1937-10-28仙台局
1940-10-31現在 仙台
1941-7-31現在 仙台
1942-1-31現在 大湊
1944-1-31現在 大湊
1949現在 盛岡
1951-1-1現在 会津若松
1953-6-1借入 新橋工事事務所
1962-3-31廃車 会津若松
1962-4譲渡 ラサ工業宮古工場
1976-4専用線での運転終了 休車で保管
1986-11専用線廃止で廃車 保管
1987-7譲渡 宮古市 動態保存 市内臨港線跡で運転
1990-1臨港線での運転終了
1992-7三陸・海の博覧会で単機走行
1994-4-24譲渡 大井川鉄道
1994-7-9千頭駅構内で有火展示
1997-10-14営業運転開始


C11247履歴
「機関車表 フル・コンプリート版」沖田佑作氏より引用
1943-9-26 日立製作所笠戸工場 製番1669
配属 仙台局
1943-10-24配置 仙台
1964-4-1現在 仙台
移動時期不明 会津若松(磐越西線管理所)
1968-7-31廃車 会津若松
1968-12-7譲渡 ラサ工業宮古工場
1976-3廃車

DD521履歴
「機関車表 フル・コンプリート版」沖田佑作氏より引用
1976-4 川崎重工業兵庫工場 製番360/4011
1976-3-25納入 ラサ工業宮古工場
譲渡 高崎運輸熊谷ターミナル営業所
移管 高崎運輸倉賀野
1999譲渡 日本製紙岩国工場


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