ペルシア湾通信
2004年5月12日


イラン流「成田のお守り」

注意
このページには宗教儀式による動物の死骸画像があります。
ご覧になりたくない方は次の回に進んでください。


5月14日 水道システムを作っています。





関東で交通安全祈願のお守りと言えば成田山ですね。これはその「イラン版」です。
添付写真3枚はウチの会社の記録アルバムからで、撮影は私ではありません。



これは、今年の1月に「事故復旧車」と「部品寄せ集め廃品利用製造車」が完成し、
登録が済んだ時の「儀式」の模様です。

 イランでは新車でも中古でも、クルマを買うと交通安全祈願の「儀式」をやります。
ま、この「祈願」て表現も、仏教、神道っぽいですけどね。

 要するに「羊のいけにえ」です。



工場長の話によれば、これには羊を「神に捧げる」と言う意味と、「私は今迄に1度も事故を起こした事が無い」
と言った直後に事故を起こすのが世の常であるから、まだ事故を起こす前に羊の血を車体に塗りつけて
(つまり、「血」で「事故」を表現するって事ですね)悪気を逃がすと言う意味があるそうです。
また、この血は自然に落ちるまで洗い流しはしません。

 私のチェロキーやホンダ・ビートなどのプライベート・カーも全てこの儀式を受けましたが、
血がべっとりと付いたクルマはグロテスクで余り良い気分ではありませんねえ。



この写真のミキサー車のフロントにもベタベタと3箇所血が塗られています。

 日本的な感覚では「血塗られた」なんて言葉もありますし、
第一に会社の正門やクルマを血に染めるなんて逆に「縁起が悪い」って気がしませんか?
それに、目の前で羊の首を切って殺すんですよ。仏教的には絶対に出来ないですね。

 そー言えば、こっちでは女の子も、血はヘイッチャラです。
 
 国営テレビでも、パレスチナの自爆テロのニュースやイラ・イラ戦争の実写フィルムも、
足がもげたり、ぐちゃぐちゃの死体とか平気で流してますし、
新大久保のサウスアメリカンディスコでイラン人が女の取り合いで
すぐにナイフを振り回して流血沙汰になるのも、遠因はコレのような気がします。

 地下鉄車輌もこの儀式を受けるそうですが、この辺も日本とイランでは発想が違いますね。

 ところで、この2台のミキサー車のうちの1台は現在、ペレスポリスで有名な
シーラースのショッピングセンター建設現場で使用していますが、
もう1台も、こちらの水道タンクが完成する来週にはシーラースに応援にやる積りです。
その時はフェリーで本土に渡り、遺跡が沢山残る昔の「シルクロード」を自走して行くので、
私も同乗旅行しようと思います。


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