ペルシア湾通信
2004年5月21日

水道システム進捗状況

昨日は水道局のユンボを移動するのに同行したので水道工事の進捗状況を見てきました。

 写真1は出発前です。



 ウチの工場ゲート前です。この島では水が高価なので、こんなに勢いのある木は珍しいんです。
土地は肥えているので水道システムの完成が待たれます。

 このベンツもグリル周りのクロームモールなんか見ると、
ナチスの軍服と共通するモノがありますねえ。ボタンの穴周りとか。
ところがこのイラン製造のやつはグリルから連続するべき
ヘッドライト周りのモールが省略されちゃってるんですよ。
本国のドイツ人は気に喰わないでしょうね。
後ろのトレーラーは最大積載重量20トンの筈ですが、
ウチでは総重量37トンの小松D155なんか平気で運んでます。

 写真2はクーラーボックスにでっかい氷を入れる「大型貨物自動車運転士」です。



 彼は陸軍でウエポンキャリアーを運転していたのでメチャクチャ上手いです。
トレーラーをバックで幅10センチ以内の誤差で一発で入れちゃいますよ。
ギアの選択も上手くて、タコメーターを見てると常に最大トルク付近で走っています。
イランでは貴重な人材です。

 バックは改築中の事務所の建物ですが、工場内の工事は
人手間が空いている時にだけ進むので、これこそ正に「紺屋の白袴」ですね。
改築が始まって1年でこの状態です。
まあ、今回私が居る間に完成させるつもりですが、
「キャンプ」の完成が優先ですから分かんないですね。

 写真3は工場から50キロ離れた島と本土とが一番近い地点、
つまりペルシャ湾の北側で一番狭い海峡です。



 ここは本土まで僅か1.5キロで、写真の高圧電線の鉄塔はイタリア企業が建てたものです。
それ以前は島にディーゼル発電所がありましたが、これが全く貧弱で停電が頻発していました。
最近は停電も1週間に1度くらい、それも工事に伴う一時的なものになりました。

 本土からの水道本管も海底を這ってここに来ます。
つまり、ケシュム島の水道システムの振り出し、出発点ですね。

 写真4はユンボが掘った水道管埋設用の溝穴です。左が海です。



 写真5はトレーラーにユンボを積み込んだところです。



 このユンボは韓国の現代(ヒュンダイ)社製で日本では馴染みの薄いブランドですが、
中東では既に日本製と並んで一流品として扱われています。
このところの原油の値上がりでバブル気味のイラン政府は、
韓国からCKD生産に近い形で相当な数の建機を輸入しています。これも新品です。

 これだけ大きいユンボは水道局などの政府系企業に優先的に配給されますが、
この島でこれを運ぶトレーラーやメカニックはウチにしかないので預かる形になっています。
戦前の日本で金持ちが自家用車をタクシー会社に預けたのと同じです。なんのこっちゃ?

 写真6,7は移動中です。





 前を走る日産サファリは「イラン製日本車」です。
コレって日本では2代前の型ですかね?
SWBの2ドアとLWBの4ドアがあります。
エンジンは懐かしい6気筒OHVのL20とL28で、
これとミッションだけが日本からの輸入で、後は全部イラン製です。
要するに日本でモデルチェンジして古くなったアッセンブリープラントを
そのままイランに持ち込んだんでしょうね。年産4万台って聞きました。

 左はペルシャ湾で、この道路に沿って左側30メートルくらいの位置に
水道管用の溝穴が続いています。

 写真8はウチが造っている水道タンクで、既に足場もタワークレーンも撤収しました。
仕上げ工事中です。ほぼ完成です。



 予定工期10ヶ月が1年1ヶ月になっちゃいましたけど、出来ましたよ。あははは。
作っていた鉄道模型が完成したのと同じくらい嬉しいです。

 「振り出し」からここまで約70キロです。
昨日見たら、水道管の溝穴はこのタンクから2キロのところにまで来てましたが、
肝心の水道管埋設とバルブの工事がいつになるやら分からないので、
取敢えずタイム延長で「ゲームには勝った」ってとこですね。
何もかもぜーんぜーん予定通りに進まないこの国で何かを造るのって、
丸っきりテレビゲームの世界ですよ。
色んな予期しないぺナルティーがビロ−ンて出てきて
悪戦苦闘してるんですけど何だか笑っちゃうような事ばかりです。
楽しんじゃってるのかなあ?

 これは5000立米のタンクですが、あともう一つ、1000立米のを造っています。
また、島の南側に3万立米の大型のものを造る計画があります。
これが始まれば左ウチワなんですけど。

 今回使ってる松下の浜崎あゆみが宣伝してた廉価版デジカメだと、
ズームが最大5倍で光学じゃないから駄目なんですけど、
砂漠の真ん中で手前でユンボが水道管の穴を掘ってて、
その向こうにウチが造ったタンクが見えるって写真を夕日と一緒に撮りたいんですけどねえ。
昭和30年代の岩波産業映画風の。
昨日だって20倍ズームがあれば充分だったのになあ。

 今日は休みですが、これから現場を毎日チェックして、
このカメラでマトモに見れる3倍ズームで撮れる地点まで
掘り進んだ時にいい写真撮りたいです。


TOPへ 前へ 次へ

広告ポリシー