ペルシア湾通信
2004年5月24日
やっと・・
1週間遅れで砂利が入って来ました。
1万トンですからバウチ5隻分で搬入に3週間かかります。
入ってくるそばから使ってます。
写真1、はここで標準的なイラン製ベンツのダンプです。
この島ではダンプは過当競争気味で、これも1100万円の新車ですが、
気の毒なくらい作業料が安く、それがウチがダンプを所有していない理由の1つです。
写真2,3、はやはりベンツのダンプですが、これは日本では見られないトレーラー方式です。
冷房付きのキャブオーバー型トレーラーヘッド(こちらでは「馬」と言う表現をしますが「ナルホド!」ですね。)
はドバイで買った中古でしょうが、
後ろのトレーラーはベンツ純正のイラン製新品です。CKD生産ですね。
ダンプの場合、荷台を上げた時に重心が高くなり、
トレーラー方式は転倒し易いので日本では車検が通らないんですが、
流石にドイツ人はアタマの中が物理的で、このトレーラーが砂利を降ろす様子を見てると、
理屈通りのようでも実に巧妙な設計になっているのが分かります。
ミソは油圧ジャッキと荷台の支点と車軸の位置、更に連結器の構造ですね。
要するに「力点、支点、作用点」のバランスです。
日本の普通のダンプのような発想でジャッキをなるべく短く小さくしようとすると、
荷台の上げ始めに「力点と支点」が後輪に集中し、
更に「作用点」が上がる程に重心も高くなって不安定になっちゃいますよね。
でも、このトレーラーでは長ーいジャッキが連結器の僅か前にあるんですね。
写真を見る限り、これだと普通のダンプと安定性は変わらない感じです。
45度の暑い中、こんなのを見てたら砂埃と汗だくになりました。
写真4,5,6、は清里自工の秋山さんから12年前にタダで貰ったダイハツ・タフトです。
これは現場への連絡、部品、食料の配達、人員の移動にエラク重宝しています。
兼僕のオモチャです。走行距離は50万キロを越えていますが、
コレのトヨタ版であるブリザードがアフリカ辺りに沢山輸出されたらしく、
ドバイでこいつの部品は問題なく見つかります。
夕べ蟹を採りに行こうと思ってエンジンをかけたら、
セルモーターのピニオンが欠けてしまい、「修理行き」になりました。
それにしても、何でこんなに大人数で押してるんですかねえ?
このタフト、左ハンドルにしたり、荷物がもっと載るように荷台を40センチ伸ばしたり、
使い勝手が良いようにこっちでテキトーに改造しましたが、
砂漠だろうが海岸だろうが惜しげなく何処へでも入っていけるのでホントに便利です。
これもいよいよ錆穴だらけになり、去年車体をほぼ作り変えたのですが、
このクルマは工場の必需品で無いと不便なので板金の仕上げを
いい加減なところで止めたので、まるで旧型国電のような「肌」です。
山手線色の仙石線のクモハ73みたいですね。