ペルシア湾通信
2004年7月18日

イランで私の好きな場所 しょにょ2

昨日と同じイスファハンのジャマンモスクです。世界遺産です。

 写真1、は昨日の回廊を一番古いドームの方へ向かったところ。
天井までは約7メートル。奥へ行くほど益々暗くなり、無限の宇宙の中を漂っている不思議な気分になります。
乾いた無臭の空気が全然動いていない感じで、まるで自分も1200年前の空気を吸っているようです。
壁や柱の日干し煉瓦の表面がザラザラで、その細かい凸凹が吸音版の役目をするのか、
録音スタジオに居るのと同じく脳のキーンと言う音や、血液の流れる音など、自分の肉体の「作動音」が聞こえます。



 この辺りの空間が持つ「気」は何だかスゴイですよ。
それをこの建物の設計者が最初から計算に入れていたのか、1200年の歳月がそうさせるのかどうかは分かりませんが・・・・

 ここに一人で立ってるの、好きです。禅寺で瞑想にふけるのと同じ効果があるのかも・・・
 30分も立ってるとホントに血圧や血糖値、中性脂肪が正常になったような、リラックスしたおだやかな気分になります。
本来の宗教施設ってこーゆーものだったんでしょうね。不思議なパワーのある空間です。

 写真2は、この1200年間の修理、増築、改築の跡。
私は建築屋なのでコレ見てて飽きないです。
この壁面は、あるときは柱の一部であるときは出入り口・・・・今は壁です。
恐らく右4分の1が一番最初に建ったモスクの外壁だった部分でしょう。



 写真3、は一番古いモスクのドーム内側。大きさも高さも東京駅南口、北口のドームと同じです。
ここは元々古代ペルシャ帝国からのゾロアスター教の祭壇があった上にイスラムが伝わった後にモスクを建てたもので、
古代から時代や宗教は違ってもやっぱり何か特別なパワーを感じる土地なんでしょうねえ。納得しますよ。
でも、1200年てのはスゴイですよね。だって「300年前に900年前の建物」だったんですから。



 写真4、はこのモスクの全体模型。
昨日、今日紹介したのは1番古い右下のドームとその上の回廊の一帯。
イボのように見えるのはドーム型の明かり採り天井。
歴代の国王が順番に大きなドームを寄進してそれを回廊で結んだ構成が良く分かります。



 写真5、は坊さんの説教台後ろの見事なプラスターレリーフ。
これは約700年前のもの。高さは約5メートル。圧倒されます。




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