ペルシア湾通信
2004年7月19日

イランで私の好きな場所 しょにょ3

写真1,2、は大塚車庫の上屋です。
写真2、の真ん中の上屋の列は営業所側、下はトラバーサー側です。
側面は単純な形の連続ですから簡単です。清里で作ります。
もう、工作用紙もカッターの刃も使い切りました。



 今回の「私の好きな場所」はイスファハンのアルメニア教会です。これも世界遺産じゃなかったかな?
これは、約500年前のアッバース朝ペルシャの時代にイスラム国のペルシャ帝国に
技術移民として連れてこられたアルメニア人のために建てられたものです。

 今でもイランには少数民族としてアルメニア人が居て、イスラム教徒のイラン人より
正直で教育レベルが高いのでビジネスマンとして成功してる人が多いです。
女性がコレまた美しく、オードリー・ヘップバーンみたいな美人ばかりです。

 イラン国内ではキリスト教徒として伝統的に一応酒も大目に見られているようなところがあり、
イランで一番簡単に手に入る密造酒はアルメニア人からの「薩摩白波」と全く同じ味の酒なんです。
これは通称「イラニアンウォッカ」。
でもこれをイラン人はノンアルコールビールに入れて喜んで飲んでますが、私は大嫌いです。

 アルメニア教会は同じキリスト教でも御茶ノ水のニコライ堂と同じギリシャ正教会のほうですね。
因みにウチの父方は聖ハリスト教会、つまりニコライ堂の「檀家」です。
私の父も「ギオルギー」(英語読みのジョージ)と言う洗礼名を持ってましたが、全く無宗教な人間だったので、
私は洗礼も受けず、母方の谷中の曹洞宗の寺の墓に入る事になりました。

 写真3から6はその教会です。
この建物の面白い点は「イスラム様式で造られたキリスト教の教会」って事ですね。
確かこれを設計したのはイマーム広場と同じ
「ペルシャのレオナルド・ダ・ヴィンチ」と呼ばれる天才科学者のシェイク・バハイです。






 ここは観光客も多いんですが、運良く誰も居ない時に当たると「妙な」空間である事が分かります。
やっぱり土地に「不思議なパワー」がある感じなんですよ。

 それにここを私が好きな理由なんですが、
実は私が子供の頃良く見た夢に出て来た景色にそっくりなんですよ。

 子供の頃、某国大使館勤めだった親戚のおじさんが、ナショナルジオグラフィックやレゴなんかの
しゃれたおみやげをよくくれたんですけど、その中にマリグレット(でよかったよな?)の「だまし絵」の画集があったんです。
それには子供の私には実に面白い絵が沢山載ってました。
大体目の錯覚や3次元の立体物を2次元の絵として描く時の矛盾をうまく突いたようなトリックに満ちた
実に不思議な絵ばかりなんですが、その中でも特に私のお気に入りがあって、
それは言わば「永久機関」の絵なんですよ。

 その絵はヤグラのような建物の中に水が流れていて、
その水が上階から落ちて下の階にある水車を廻してるって言うものなんですが、これが立体画法を巧く使ったトリック画で、
建物の中の水面は水平を保っているのに、入り口と出口で高さが3階分違っているんです。
そして、その間にある水車が永久に回り続けるって言う不思議な絵なんです。
言葉で表現できないのでネットでこの絵を調べたんですが出てきませんでした。

 私はこの絵が好きで、幼稚園児の頃から中学生まで、想い出したように何ヶ月に1回は必ず眺めていました。
何度見ても飽きない絵です。
そして、何百回となくあの絵の中に紛れ込んだ自分の夢をみたんです。
それも幾つかのパターンがありました。
風邪をひいて高熱の時は恐ろしい夢で、あの絵に出てくる三角帽子を被ったような
不思議な人物の顔が無い奴に追いかけられたり、
マシな時はクラスの好きな女の子とデートして楽しんでたらいきなりこの場所に入り込んでたり、と言ったものでした。

 このアルメニアン教会が正にそこなんです。最後の写真の塔なんて発してる
「不思議な気」がマリグレットの絵の塔とそっくりなんです。

 また、ここの牧師さん達の服装もあの絵の不思議な人物とそっくりです。

 私にとってここはホントに不思議なデジャブの場所なんです。


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