かつては東京、横浜、川崎、名古屋、京都、大阪で路面電車、バスとともに活躍していたトロリーバスは
1960年代から路面電車の撤退と歩調をあわせ1972年3月の横浜市営を最後に大都市から消えて行った。
長野県と富山県の県境を越える関電トンネルは黒部川第四発電所、黒部ダム建設の資材輸送のため開削されたが
工事終了後1964年に観光路線として再出発する際に排気ガスの出ないトロリーバスが採用された。
長い間日本唯一のトロリーバス路線だったが、同じ立山黒部アルペンルートの立山トンネルバスが
排気ガス対策などから1996年にトロリーバス化され、2本のトロリーバスを乗り継ぐコースとなった。
撮影日 2008年11月12日
立山黒部アルペンルートの東の入口、大糸線信濃大町駅には木製駅名票が健在。
大町から扇沢までのバスの切符、大町の案内所で購入したら何と硬券だった。
大町からの道路が山に突き当たると扇沢駅。駅前に広い駐車場を持っている。
2階が切符売り場と土産物店、3階が乗り場、背後には北アルプスの2500mを越える稜線が連なる。
黒部ダムからのトロバスが駅背後の急坂を降りてくる。架線柱は鉄道線そのものだ。
地上区間を走るのは扇沢から600mほどだけ、黒部側はすべてトンネルの中だ。
扇沢に到着した3両続行、ピーク時は8両まで続行運転するという。
駅舎裏側は車庫になっている。
この路線のトロバスはバッテリーも装備しており車庫内移動はポールを下げるため構内はすっきりしている。
こちらは庫内でバッテリー充電中。
現在使われているのは3代目となる300形。1993年登場のVVVF制御車で全15両。
方向幕、ナンバープレートがないため外国のバスのようにも見える。
ナンバーは側面後部と背面に記載されている。
塗装は初代100形以来のもので、前方下部の黒線4本はクロヨンを表しているそうだ。
洗車機もバッテリーで通過。後方を普通のバスが降りてくる。
関電トンネルはトロバスの他、工事用車両なども通過するがそれもダイヤに従い運転される。
立山黒部アルペンルートの切符はどの区間も有効5日間。
バーコードを自動改札で読み取る。
天候により運休区間もまま発生するので裏面には前途不乗押印欄がある。
2階の乗車口前待合室の一角には部品などの展示コーナーがある。
初代100形の1/20模型も展示。
乗車ホーム、発車時には駅長さんがホームに出て発車合図を行っていた。
形はバスでも運営は鉄道そのものだ。
車内には鉄道友の会グローリア賞のプレート。(この賞は2003年に廃止されている。)
扇沢を出るとすぐに急勾配を上りトンネルに向かう。
画面中央を左に曲がるあたりがトンネル入口。
トンネル内の行き違い場、れっきとした信号場だ。
閉塞はトロリーコンダクターによる位置検出による運行掲示盤でコントロールされているが
スタフも携行され2重系で安全を高めている。続行の場合最後尾車から対向先頭車に渡される。
終着駅 黒部ダムへ
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